ビターに愛して シュガーな恋心
藤城君の手が私の腰にまわされた

密着度が多くなる

「それ、どういう意味?」

藤城君の息が耳にかかってきた

他人の体温が、私の体に溶け込んでくる

嫌ではないけれど、心地よくもない

「さあ? どういう意味でしょう?
どう捉えました?」

「僕の女になりたいって聞こえた」

都合の良い解釈だわ

「そうですか
なら、今から私は藤城君の彼女ですね」

私はほほ笑むと、藤城君から離れた

一歩前を歩き、教室に真っ直ぐに向かう

「ちょ…まっ…」

少し動揺したのかしら?

藤城君が私の肩を掴んで歩みを止めさせた

< 51 / 417 >

この作品をシェア

pagetop