ビターに愛して シュガーな恋心
「やっぱ…あんた、腹黒いって言われるだろ?」

藤城君は呆れたような笑みを浮かべて口を開いた

「さあ、そんなことを言われた記憶はございませんわ」

私は空の財布を鞄にしまった

ダブルベッドに横になっていた藤城君が身体を起こした

藤城君の言っていた通り、細身な体だけどしっかりと腹筋は割れていた

腕もちょっと力を入れるだけで、筋肉の筋が浮かび上がる

鍛えてある身体をしていた

細マッチョ…だ


「金はきちんと返すよ」

藤城君がベッドに散らかっているお金を拾うと、寂しそうに微笑んだ

なんで、そんな顔をするの?

私を利用して、兄様と闘うつもりでいるんでしょ?

なら、そんな顔をしないでよ

なんか…私がいけないみたいな気分になる

「返さなくて結構です
それは私が貴方に差し上げたものですから」

私は藤城君に背を向けると、ホテルのドアを開けようと足を踏み出した

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