ビターに愛して シュガーな恋心
「ちょ…待ってよ
送るから」

藤城君が慌てて、私の背に言葉に投げてきた

「それじゃ、意味がありませんわ
私は…」

「わかってるよ
だけど家の近くまでならいいでしょ?
もう午後10時を過ぎてる
一人で歩くのは、危ない」

中途半端な人ね

兄様の怒りが欲しいのに、私の身を案じてるなんてダメじゃない

優しい人は、負けるわよ

兄様に…負けるわ


あれ?

べ、別に、私は応援しているわけじゃないわ

そうよ、藤城君に勝利してもらいたいわけじゃない

何をしても、勝つのは兄様だもの


なら…目の前にいる藤城君は負ける?

…負けちゃう?


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