ビターに愛して シュガーな恋心
「ははっ…なに、紳士づら?
彼女の前では、格好良く振舞いたいってヤツ?
こんな細っこい身体で、俺らに勝てるわけないじゃん

それにさ
こいつ、顔は可愛いけど処女じゃないぜ?」

信二!

…なんでそういうことを言うの?

前から嫌味なヤツで、最初しか優しくない男だったけど

藤城君は関係ないでしょ!

それに、藤城君はそんなこと……知ってるわ

さっきまで、ホテルにいたんだから

私が処女ないって、とっくに気付いている

何も言ってなかったけど、それは私が兄様の怒りを買うための餌であって…

私を『女』扱いしてないからよ

「だから?」

藤城君が、信二の目を見て微笑んだ

怒りの青い炎を瞳の奥で、燃やしながら藤城君が口元を緩めていた

「は?」

「僕と付き合うのに、処女である必要はないけど
それとも…君は、付き合う女性が全員処女じゃないといけないのかな?
あ…わかった
僕に莉子を奪われて、嫉妬してる?
莉子は良い女だもんね
そっかあ…君は莉子に振られたんだね
可哀想だけど、君みたいな男は莉子には似合わないよ」

「んだと…こら」

「ほら、言葉づかいも悪い
素行も悪そうだし、日本語もきちんと話せないようだ
可哀想な男だね」


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