ビターに愛して シュガーな恋心
「ちっ」

勇人さんが舌打ちをすると、大股で玄関に向かっていった

私は勇人さんの背中を追いかけていく

「莉子っ! 今まで、どこに……」

「ちょっと遅くなっちゃった」

にこっと莉子ちゃんがほほ笑んだ

あ…首にキスマークが…

勇人さんも、莉子ちゃんの首に気がついたみたい

莉子ちゃんの肩を掴んだ勇人さんのオーラが、怒りへと変化していく

「おい…なんだよ、首の痣は」

「あ…これ?
藤城君につけられちゃった」

莉子ちゃんは肩をすくめてにこっと笑う

え?

藤城君に?

どういうこと?

藤城君と…っていつの間に、莉子ちゃんとそういう関係になったの?

「…んだと?」

勇人さんの声が一段と低くなった

え?

勇人さん…藤城君を知っているの?



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