ビターに愛して シュガーな恋心
『ごめんなさい
一人にさせてください』

莉子ちゃんはそういって、あたしの部屋に入っていった

勇人さんに怒鳴られて、ショックだったに違いない

あたしは、居間のソファに横になった

「…桃香?」

暗闇から、低い声が聞こえてきた

あたしは身体を起こすと、声のした方を見つめる

「勇人さんですか?」

「んで、ここで寝てるんだよ」

パジャマを着ている勇人さんが、居間の電気をつけた

「莉子ちゃんが一人になりたいって」

きっと

いろいろと考えたいことがあるんだろうね

藤城君のこととか……

勇人さんに言われた言葉について、とか

「はあ? もともとあの部屋は桃香のだろ?
莉子が一人になりたいなら…」

「いいんです
気にしないでください」

勇人さんがため息をついた

「隣、座ってもいいか?」

「はい」

あたしはタオルケットを畳むと、絨毯の上に置いた

あたしと勇人さんが並んで、ソファに座る

珍しい行為だ

並んで座るなんて…少し緊張しちゃう


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