ビターに愛して シュガーな恋心
「それより兄様?
どうして、桃香さんを抱かないのよ!
早く『お姉さん』って呼びたいのに」

「もう勝手に呼んでるだろうが」

「まあ…そうですけど
でもちゃんと呼びたいのです」

「意味がわからねえなあ」

「あと一歩なのに
同じ部屋で過ごしたなら、手を伸ばして服を脱がせるだけですわ」

「くだらねえ」

「あ…兄様って男してへなちょこですわ」

「へな……ちょ…莉子っ!」

兄様の目がつり上がった

私はにこっとほほ笑むと、部屋を飛びだした

兄様はまだクレアさんとのことを忘れてないのかしら

どんな付き合いをしたか…私は知らないけれど

お父様が、悩んでいらしたから

報われない恋をした兄様の今後を心配なさってた

「私って知らないことだらけね」

無知であるのを知っただけ、いっか

無知であるのを知らずに大きな顔をしているレミたちより、大人よね?

たぶん……


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