ビターに愛して シュガーな恋心
「なんで放置してるんだ」
兄様の声が一段、低くなった
「好きで放置しているわけでは…」
「俺に相談しろよ」
「できるわけない
少しワルな男に憧れて、付き合っているかと思ったら遊ばれてて
勝手にビデオを撮られてて、ネットに流されていたなんて…
抗議したわ
すぐに削除するようにも…でもお金持ちの女ってだけでお金が稼げる
ヤツらには、逆に脅された
抵抗できないように、痛い思いも辛い思いもさせられた
私の口から、『助け』を乞うようなことできない
2時間ドラマとは違うのよ
恐怖で殺人ができたらどんなにいいか……
私には奴らから姿を隠すしかできなかった
それももう無理だけど
バレちゃったから
制服も見られたし
もしかしたら藤城君にも迷惑をかけるかも」
私の言葉に兄様が鼻で笑った
「藤城なら平気だろ
あいつ自身の情報収集力には、期待してないが…力ならある
権力…という点では弱いがな
襲いかかる脅威をはねのける力なら、俺よりあるだろ
情報収集力もあいつの兄貴が補える
あいつと、あいつの兄貴と…手を組んだら最強だ」
兄様が私の頭を撫でた
「まあ、あいつが兄貴に頭をさげるかどうか…は知らないが、な」