ビターに愛して シュガーな恋心
「莉子、調べた以上、俺は動く
見て、見ぬふりは決してしない」

「それって信二たちに手を出すっていう意味?」

「ああ」

「お金は取るの?」

「身内からは取らない」

「楽になる?」

兄様が、私の頭を抱きしめた

温かい体温が、伝わってくる

「もう怖がる必要はない
俺が全て解決してやる
だが、莉子の心までは解決できない
心に負った傷は、莉子自身で回復しろ」

兄様は、どうして何でもできるの?

どうして私は何もできないのだろう

頑張ってるのに

恐怖心だけが私を支配して、体を動かせなくなるの

兄様はそういうことはないの?

辛くて、涙がとまらない夜とかはないの?

背を向けたくなるような人はいないの?

どうして、兄様は何にでも…どんな相手にでも立ち向かっていけるの?

どうして私は、怖いと思うのだろう?


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