悔しいケド大好き…!!(上)
菜々子が話し終わって
重い沈黙が続いていた…。
菜々子をチラっと見ると、
とても深刻そうな表情。
『菜々子…ありがとう。』
『…うん』
『っ…ありが…ありがとう』
『菜々…』
涙が ボロボロと…
頬を伝う…。
菜々子は 何も言わず、
抱きしめて…くれた。
あの時、病室の扉を開けなくて、よかった。
菜々子が止めてくれて…
強引に連れ出してくれて…
私は 救われたよ。
ずっと そばにいると…
信じていた 私…
ヒロは 私に何も言わず…
東京へと 行ってしまった。