悔しいケド大好き…!!(上)






どーゆー…事?

『ねぇ…私の声、いくら叫んでも 届いてくれないの…
だからあなたに…
ヒロへ伝えて欲しいのよ…』


『私が?』

春サンはコクンと頷き
また口を開いた。

『実は…本当は私っ…
ヒロが大好きで、ゆーきなんかもう…頭になかった。』



え…


『…私 病気だったから…
だから…ヒロに悲しい思いを 一生させるなら 私は悪者になって 私を酷い女だと 見て欲しかった。』

『そんな…』

『だけどね…
菜々ちゃんが 私をかばってくれたのが 嬉しくて 何故か助かったって感情が生まれて来たの。
私本当は 最後まで ヒロにとって 最高でいたかった…そう気付いたのよ。』



『菜々ちゃんのおかげ。』

『春サン…』

『伝えて欲しいのは 空の上から見守ってるから…って。
それと ありがとう…
彼女を大切にしてあげて、
私の分まで。』



…春サン。
ヒロの事 大好きなのに…
どーしてそんなに 優しいの…?
あぁ、そうか…
ヒロはこんな春サンを
好きになったんだね。
















ヒロ…
ごめん。
だけど…

ヒロの声 届かないよ。
やっぱり怒ってる?

それとも…
私はやっぱり…
春サンの代わりでしか なかったのかな…




『菜々ちゃん…
ヒロは 本当に菜々ちゃんが好きだよ。
私なんか 比べ物にならない。』


『そんな事…
『信じてあげて、貴方達は 私の夢だから…』








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