◆コンビニ恋愛◆
「及川ー、橘ー。今客おらんうちにコレ運んどいてー」
今のは店長の山本さん。
ちょっと硬派な顔してるけど、中身は超チャラい。
32歳で、最近カノジョがいないのが悩みらしい。
「「わかりましたー」」
あたしと橘はコンビニの裏から、ダンボールに入った大量のドリンクを運ぶ。
「あぢー」
あたしは顔を手であおいだ。
「お前っ、手ェ離すなや!!!」
「だってめっちゃ暑いねんで?!夏休み真っただ中のこんな真夏にまた橘とバイト。はあ暑い」
…こんなこと言ってても好きなんです。
「それはお互いサマやろ。つーか及川彼氏おらんの?デートでもして貢いでもらったらええのに(笑)」
「貢ぐとか…あたしそんな悪いオンナちゃうもん!それに彼氏とかおらんんし」
「うそや~。お前去年も同じこと言っとたし(笑)」
そう言ってニヤニヤと橘は笑う。
「悪かったですね!!!中3以来カレシとかおらんし!!!」
「おッ、及川の恋愛歴発覚?!もう1年以上おらんのか~」
あたしは橘にバカにされるのが嫌で、話を変えた。