Be impatient
ヤナギさんは私の視線に気付いたのか、パソコンの画面からこちらにその視線を移す。

そして私と目が合うと、にこりと微笑んだ。

いつもは表情に乏しいヤナギさん。

何を考えてるんだろう?

いつもはそんな事さえ感じるのに、今日は私に笑みを向けてくれた。

稀にしかお目にかかる事が出来ないヤナギさんの微笑みに、私の顔は一気にその温度を上げる。

笑った…

ヤナギさんが笑ったよ。

他の部署の友人にヤナギさんの話をした時「あんな無愛想の何が良いの?」あっさりそう言われ、ドンヨリした気分になった事もある。

それぐらいヤナギさんは無表情なのに。

何故かヤナギさんは笑っていた。

私が赤くなっていても全く気にはせず、直ぐにその視線をパソコンの画面に戻したヤナギさんは、また画面と睨めっこ。



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