Be impatient
ヤナギさんに彼女がいない事は調査済み。

でもそれ以外のプライベートは、全く知らない。

彼女は居ないけど、好きな人は居るかもしれない。

そう考えただけで、胸がぎゅっと締め付けられる。

もう駄目だ。

仕事中だって、ヤナギさんの事で頭が一杯。

それでも仕事でミスをするわけにはいかないので、私は気持ちを引き締めて頑張る。

最近はそんな毎日の繰り返しで、そんな今日も私は書類と向き合い、気付けは定時を少し過ぎていた。

やっぱり今日は残業だ。

私は少し休憩でもしようと思い、給湯室へコーヒーを淹れに行く為に席を立った。

廊下をトボトボと歩き、給湯室へ向かっていると「ハラダさん」と隣の部署のワタナベさんに声を掛けられる。

「あ、お疲れ様です。」

数メートル後ろのワタナベさんに振り返り、私は挨拶をした。




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