Be impatient
「お疲れ。今日は残業?」

「はい。」

ワタナベさんも私と同じく給湯室へ向かう途中だったようで、私たちは仕事の話をしながら、2人で並んで廊下を歩く。

ワタナベさんは私より2才年上。

こうやってちょくちょく話をする事もあった。

でも、私はワタナベさんがちょっと苦手だったりする。

「砂糖とミルクはどうしますか?」

コーヒーを淹れながら私はワタナベさんに尋ねた。

「ブラックで良いよ。ありがとう。」

ワタナベさんはきっとモテる人なんだと思う。

私に対する話し方や接し方、さり気ない仕草。

どれを取っても、女の人に慣れてると言う感じが伺えるから。

「はい。どうぞ。」

言いながら私はコーヒーをワタナベさんに手渡した。



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