【短編】366日



「お前はそんなん泣かれたら、

こっちどうしたらいいだよ」

直哉は私の頭をポンポンと叩いて

まるで小さい子をあやすように

私の頭を撫でた。

なんか安心した。

「お前は本当に子供やな。」

「子供じゃないし。」

「子供だろ。ピーピー泣くし」

そう言って笑った直哉の笑顔に

胸がドキドキした。

「違うし。」

だって、直哉の笑顔があまりにも

優しすぎたから。

ただそれだけだよ、ね。

「じゃあ、俺帰るわ。」

「うん。ありがとう。」


直哉が帰ってからの

一人の家は寂しかった。

一人ってこんなに淋しかったっけ?



直哉がいなかったら、

私今ごろ泣きくずれてたかも

直哉がいなかったら、

今の私、笑顔じゃない。



直哉、私はどうしたらいいの?


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