恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「足が太いなら逆にメイド服を着るべきよ」

そこに白鳥さんからの思いもよらない発言。

「美脚になるためのイチバンのコツは、短いスカートを履いて、バンバン人前に出ることだよ。そしたら他人に見られてることを意識するようになって、見る見るうちに引き締まったキレイな足になるよ。コレ、経験者は語るってヤツ」

「お前は余計なこと言うな」

「そーいや、英雄くん、ミニスカフェチのクセして、付き合いだしてしばらくしたら、なぜか急に“大根足のクセしてミニスカで人前に出るな”とか言い出したよね? そーいう乙女心が分からない、デリカシーのない発言するから、あたし、英雄くんと別れようって決めたんだよ」

「アレはだな、白鳥の肌が白いってことを遠まわしにほめてたんだ。ゴボウみてぇに黒くてゴツゴツした足って言われねぇだけでも感謝しろってんだ」

「ハイハイ、モノは言いようだよね。だいいちさぁ、あたしがどんなカッコしようと勝手じゃん。オンナとしてこの世に生を受けた以上、おしゃれはオンナの生き甲斐なんだから、それを横からゴチャゴチャ言わないでほしいっていうのよ」


別れた男女が再び恋に燃え上がることを“焼けぼっくいに火がつく”なんていうもんだけど、おにーちゃんと白鳥さんの場合は、ファイティングスピリッツに火がついたみたい。


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