恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

「ほぉ~、そうか、そうか~♪」

「でも、あたし、てっきり今頃はどっかの学校の体育の先生になってるんだと思ってた。なんでこんなところで、そんなカッコしてるんですか?」

「話せば長いことだが……」

「……ってか、お店の入り口でデッカイ頭のウサちゃんの着ぐるみに長話なんかされたんじゃ迷惑だし、ハッキリ言って営業妨害ってヤツだよ。赤井氏、こんなところでサボってないで、さっさと自分の仕事に戻ったら?」

「言われなくても、いま帰ろうとしてたところだ、ってんだ。……ったく、せっかくヒトがいいキモチになってんのにウルセーな」

「ウルセーって、なによ!」

「あんだよ!」

ニラみあうピンクのメイド服のあたしと、ピンクの3頭身のウサちゃんの着ぐるみ。

本人同士は一触即発の状態だけど、ハタから見てると、たぶん笑える光景だと思う。


「なんか、ふたりってイイ感じじゃない?」


「どこがっ」×2

碧の言葉を、ハモッて否定するあたしとウサちゃん。


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