恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

ドッとウケる碧の友達。

あたしも笑う。

碧も笑う。

みんな15歳。おハシが転がってもおかしいお年頃だ。

だけど、その中で、あたしひとりだけが作り笑顔。


「じゃあ、注文が決まったら声をかけてね」

それだけ言うと、あたしは足早に碧たちのテーブルから離れた。

これ以上は作り笑顔がもちそうになかったからだ。


碧のことを、“招かれざる客”だなんて思いたくはない。

だけど彼女が余計なことを言ったせいで計画(プロジェクト)が台無しになった。

おにーちゃん、今ちょうどフリーだし、今度こそ、正面きって、ちゃんとおにーちゃんに「好き」だと告白しようと思ってたのに。

もう、おにーちゃんにはコクれない。

これからあたし、どうしたらいいんだろ?

こーなったら、もう、おにーちゃん、相墨くんに続く“第三のオトコ”の登場を待つしかないのかな……?
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