恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~



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バイトが終わって、更衣室で着替えるあたしと黄ぃちゃん。

彼女に何げに「実は恋の悩みがあって……」と打ち明けてみると、彼女は遊園地内にあるスカーレット・浦辺(うらべ)の“占いの館”に行くことをモーレツに勧めてくれた。

「そのヒトの占い、むっちゃ当たるんデスヨ。特に恋占いは百発百中なんデスから」

「すごいね? 百発百中?」

「だって“恋する占い師さん”デスから」

「え……なにソレ?」

「占い師さん自身がいま恋の真っ最中デスから、恋占いはよく当たるんデスヨ」

「へぇ、なんか説得力あるような、ないような感じだけど」

「園内でジャグリングなんかをやってるピエロで大道芸人のミスター・ブラウンと不倫してるって、遊園地じゅうで、もっぱらの噂なんデスヨ。ウケケッ」

その笑い方が、なァ~んかやらしくて、そしてちょっと憎たらしかった。



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