恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「え? どうしてですか?」
「オトコとオンナにはいつか終わるときがきます。でも兄妹なら、そんな日はきません。それにオトコとオンナのあいだある“かけひき”や“利害関係”も、兄妹のあいだにはありません。なんの見返りも求めないで、まるでそうすることが当たり前であるかのように、相手を大切に思うキモチ……それは兄妹という関係であればこそのものですから」
あたしは女占い師の言葉を聞いて、“たしかにそうかもしれない”と思った。
思えば、おにーちゃんはいつだって、あたしのこととなると理由や理屈なんか考えもしないで、スグになんでもしてくれたよね。
そこには、自分が何かをしてあげることで、相手にいいひとだと思われたいだとか、ギブアンドテイクで今度は代わりに何かをしてもらおうみたいな計算なんてものはない。
あるのは“ただ自分が、そのヒトのために何かしてあげたいだけ”ってゆう、めちゃめちゃシンプルなキモチだけだ。
「実はわたし、いま好きな男性がいて、その方の妹になりたいってココロの底から思っています……」
さっきまでの眼光鋭い女占い師の目が、今はうっとりしたような恋するひとりのオンナの目になっている。きっと恋しい恋しいピエロのミスター・ブラウンのことを想っているんだと思う。そしてこの目こそが、まさに恋する占い師の目だった。
「オトコとオンナにはいつか終わるときがきます。でも兄妹なら、そんな日はきません。それにオトコとオンナのあいだある“かけひき”や“利害関係”も、兄妹のあいだにはありません。なんの見返りも求めないで、まるでそうすることが当たり前であるかのように、相手を大切に思うキモチ……それは兄妹という関係であればこそのものですから」
あたしは女占い師の言葉を聞いて、“たしかにそうかもしれない”と思った。
思えば、おにーちゃんはいつだって、あたしのこととなると理由や理屈なんか考えもしないで、スグになんでもしてくれたよね。
そこには、自分が何かをしてあげることで、相手にいいひとだと思われたいだとか、ギブアンドテイクで今度は代わりに何かをしてもらおうみたいな計算なんてものはない。
あるのは“ただ自分が、そのヒトのために何かしてあげたいだけ”ってゆう、めちゃめちゃシンプルなキモチだけだ。
「実はわたし、いま好きな男性がいて、その方の妹になりたいってココロの底から思っています……」
さっきまでの眼光鋭い女占い師の目が、今はうっとりしたような恋するひとりのオンナの目になっている。きっと恋しい恋しいピエロのミスター・ブラウンのことを想っているんだと思う。そしてこの目こそが、まさに恋する占い師の目だった。