恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「いいですよ♪」
あたしは大将の申し出を快諾した。
「あたし、こないだまではカレシがいたんですけど、今は別れてフリーですから、結婚してもいいです。親も賛成すると思います」
「そうかい♪ そいつはめでてぇ♪」
大将がまるで自分のことのようにうれしそうな声を上げた。
ベッドのおやっさんは黙っているけど、その表情がさっきとはうってかわってパッと明るくなっているのをあたしは見逃さなかった。
だけど、そのとき……、
「そーいうウソはよくねぇと思うぞ」
……って、ヤケに冷めた感じでおにーちゃんがクチをはさんだ。
「お前さぁ、気弱になってるおやじを安心させるために、オレと結婚してもいいなんて言ってるんだと思うが、お前には同じ高校にれっきとしたカレシがいるんだろーが」
「いま言ったじゃん、“今は別れてフリー”だって」
「その場しのぎの思いやりなんざするもんじゃねぇと思うぜ。特に老い先短けぇ年寄り相手にはな」
あたしは大将の申し出を快諾した。
「あたし、こないだまではカレシがいたんですけど、今は別れてフリーですから、結婚してもいいです。親も賛成すると思います」
「そうかい♪ そいつはめでてぇ♪」
大将がまるで自分のことのようにうれしそうな声を上げた。
ベッドのおやっさんは黙っているけど、その表情がさっきとはうってかわってパッと明るくなっているのをあたしは見逃さなかった。
だけど、そのとき……、
「そーいうウソはよくねぇと思うぞ」
……って、ヤケに冷めた感じでおにーちゃんがクチをはさんだ。
「お前さぁ、気弱になってるおやじを安心させるために、オレと結婚してもいいなんて言ってるんだと思うが、お前には同じ高校にれっきとしたカレシがいるんだろーが」
「いま言ったじゃん、“今は別れてフリー”だって」
「その場しのぎの思いやりなんざするもんじゃねぇと思うぜ。特に老い先短けぇ年寄り相手にはな」