恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
よほど純情なのか、今のあたしの言葉を聞いた途端、やまぶきさん白い肌が紅葉のように真っ赤に染まった。

「あるよ、あたし、何度だって♪ このオトコとは、そーいう間柄なのよ♪」


コレ、本当の話。

本当にいっしょにおフロに入ったことがあるんだ。

モチロン、う~んと小っちゃい頃だけどね。


「アラアラ、真っ赤になっちゃって♪ オバサン、意外とウブなんだねぇ♪」

「………」

「“色の白いのは七難隠す”っていうけどさ、よく見るとそんなに美人じゃないじゃん? ねぇ、こんなオンナのどこがいいワケ?」



「……って、オイ、ピンク、テ前ぇ、いってぇ、どーいうつもりで見合いの邪魔してんのか知らねぇが、いーかげんにしねぇかっ」



いつになく、おにーちゃんがものすごく怖い顔をしていた。

だけど、そんなことでひるむあたしじゃない。おにーちゃんに怒られるのは承知の上だ。承知の上での“お見合いブチ壊し作戦”だ。

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