恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「な、なんで? おにーちゃん……」
デッカイおにーちゃんのスーツに包まれ、そしておにーちゃんの匂いにふんまりと包まれたせいで、気が緩んでしまったんだと思う。
だから、あたしにとってある意味“禁忌(タブー)”だった“おにーちゃん”を、思わずクチにしてしまったんだと思う。
「お前の言うとおり、たしかにオレはミニスカとかビキニが好きだ。けど、あくまでそれは相手がグラビアアイドルのとき限定だ」
「え?」
「相手がグラビアアイドルなら、どんどん脱いでいってもらいてぇと思うのは事実だが、お前らオンナは、そもそもオトコという生き物を誤解してやがる」
「誤解……って?」
「オンナは、オトコという生き物を“オンナのハダカさせ見られりゃ大喜びする生き物”だと思ってるようだが、そうじゃねぇ」
「そうじゃないって、どこがどう違うのよ」
「自分の本当に大切なオンナには、人前でゼッテェ肌をさらしてほしくねぇ、って思う……それがオトコって生き物なんだよ」