恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
男のお客さんと女のお客さん、両方に頭を下げてシェイクを隣のテーブルに置くあたし。
「ご、ごゆっくりどうぞ……」
今日は午前中だけで、もう3回目のミスだ。
最初はオーダーの聞き間違い。次にレジでおつりを少なく渡してしまい、そして3度目のミスが今のヤツ。
音のないため息をついて空を見上げると、頭の上には抜けるような青空がどこまでもどこまでも広がっていたけど、あたしのキモチは晴れなかった。
最近あたしがバイト中や、学校にいるときも、ぼぅ~っとしてることが多いのは、おにーちゃんに関することで、かなりショックなことがあったからにほかならない。
ショックなこと……それは交際をはじめてわずかひと月足らずで、おにーちゃんとやまぶきさんが婚約してしまったということだ。
ゆくゆくはこの遊園地の仕事も退職して、浅草に帰って結婚するんだろうと思う。
「ホットドッグおまたせいたしました」
遊園地にはちょっと不似合いな感じもする熟年カップル風のふたりのテーブルにホットドッグ×2を置くあたし。
「ありがとう」
「ご、ごゆっくりどうぞ……」
今日は午前中だけで、もう3回目のミスだ。
最初はオーダーの聞き間違い。次にレジでおつりを少なく渡してしまい、そして3度目のミスが今のヤツ。
音のないため息をついて空を見上げると、頭の上には抜けるような青空がどこまでもどこまでも広がっていたけど、あたしのキモチは晴れなかった。
最近あたしがバイト中や、学校にいるときも、ぼぅ~っとしてることが多いのは、おにーちゃんに関することで、かなりショックなことがあったからにほかならない。
ショックなこと……それは交際をはじめてわずかひと月足らずで、おにーちゃんとやまぶきさんが婚約してしまったということだ。
ゆくゆくはこの遊園地の仕事も退職して、浅草に帰って結婚するんだろうと思う。
「ホットドッグおまたせいたしました」
遊園地にはちょっと不似合いな感じもする熟年カップル風のふたりのテーブルにホットドッグ×2を置くあたし。
「ありがとう」