恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
彼の言葉は本当に想定外だった。
「桃香ちゃん、最近ココロここにあらずってゆーか、ぼぅ~っとしてることが多いじゃん? もしかして心配事でもあるのかな? 桃香ちゃんが今なにを考えてるのか、キミのココロの声をボクに聞かせてほしいな」
「すいません。これからはぼぅ~っとしないで、ちゃんと気をつけるようにします。あと今まで割った食器のぶん、あたしのバイト代から引いといてください」
「いや、そんなことはいいんだけどさ、もし悩み事とかあるんだったら、ボクでよかったら相談に乗るけど」
「心配してくれてありがとうございます。でも、いいんです」
「遠慮するなよ。ひょっとしてアレかな? 恋の悩みとか?」
「…!?」
ドキンとするあたし。
だって図星だったから。
「当たりみたいだね」
「どうしてそのこと……?」
「黄ぃちゃんに聞いたんだ、こないだ一緒に“恋する占い師”のところに行った、って」