恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~



午後の休憩時間になり、時間の合う数名だけでアトラクションに出演するヒトたちの楽屋に集まった。

本当はいてもたってもいられないキモチで、バイトどころじゃなかったけど、あのあとすぐに忙しいランチタイムになったから、ココロここにあらず状態だったけど、とりあえずなんとか無事、その時間だけは乗り切った。


シーンと静まり返った楽屋の空気は、とても重苦しいものだった。

重い。

重すぎるくらいに重い。

あまりに重過ぎてフツーに息をするのさえキツイくらいだった。


「ヒデさん、これからどうなるんデショウ?」

長い長い沈黙を破って最初にクチを開いたのは、この重苦しい空気には、あまりに場違いなアニメ声の黄ぃちゃんだった。

「ムショ送りでしょ……」

吐き捨てるように白鳥さんが言う。

「……って、赤井氏、刑務所に送られちゃうんですか? その前にどうしてこんなことになったのか裁判とかないんですか?」

あたしが訊く。
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