恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

だって、あたし以外の女のコの前で、笑顔を見せるおにーちゃんが許せなかったから。



      ×      ×      ×



その日の夕方、塾から帰ってきたところで、タイミング悪く、ちょうど学校から帰ってきたらしいおにーちゃんと、家の前で出くわしてしまった。家がお隣同士っていうのも良かったり悪かったりだ。

「なんだよ、お前、昼間の態度は」

「別にぃ。せっかく女のコたちとイチャイチャしてるのに、あたしがジャマしちゃ悪いと思っただけ」

「オレ、イチャイチャなんてしてねぇぞ」

「久しぶりで母校に帰ってきた早々、後輩の女のコたちをはべらせてハーレム状態だなんて、将来、先生になろうってヒトとしては、そーいう態度って、どぅ~なんだろ?」

「ハーレムって……あのなぁ」

「なによ」

「言っとくがオレとアイツらとのカンケーは、あくまで先生と生徒のカンケーだ。だいいち、れっきとした女子大生のカノジョがいるオレが、女子中学生なんかをオンナとしてまともに扱うとでも思ってんのかよ」

「えっ!?」
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