恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
あたしがのん気に寝ているあいだに、紫苑さんはやるべきことをちゃんと誠実にやってくれていた、ってことだ。
「うん。じゃあ、ボクはこれで帰るから」
「おにーちゃんに会わずに帰るんですか?」
「ボクら親子のせいでひどい目に遭ったんだ。しばらくはセンパイに合わせる顔がないよ。それに“お邪魔虫”は気を利かせて早々に退散すべきじゃないかな?」
「紫苑さん……」
「相手のスキにつけいるようなことは本来フェアーじゃないのかもしれないけど、でも、やまぶきさんとの縁談がダメになったこのチャンスを逃す手はないよ。欲しいものなら、どんな手を使ってでも手に入れるべきだ」
おにーちゃんには悪いと思ったけど、クルマを走らせている途中で、紫苑さんには婚約破棄になったことを話していたんだ。
「辛いときだからこそ、桃香ちゃんがそばにいてあげなきゃ。頑張って、桃香ちゃん」
「でもなんか図々しくないですか?」
「恋愛なんて、もともと図々しいもんさ。だって相手のココロの中にズケズケ土足で入り込むのが恋愛なんだから」
プレイボーイの紫苑さんが言うとミョ~に説得力がある。
「うん。じゃあ、ボクはこれで帰るから」
「おにーちゃんに会わずに帰るんですか?」
「ボクら親子のせいでひどい目に遭ったんだ。しばらくはセンパイに合わせる顔がないよ。それに“お邪魔虫”は気を利かせて早々に退散すべきじゃないかな?」
「紫苑さん……」
「相手のスキにつけいるようなことは本来フェアーじゃないのかもしれないけど、でも、やまぶきさんとの縁談がダメになったこのチャンスを逃す手はないよ。欲しいものなら、どんな手を使ってでも手に入れるべきだ」
おにーちゃんには悪いと思ったけど、クルマを走らせている途中で、紫苑さんには婚約破棄になったことを話していたんだ。
「辛いときだからこそ、桃香ちゃんがそばにいてあげなきゃ。頑張って、桃香ちゃん」
「でもなんか図々しくないですか?」
「恋愛なんて、もともと図々しいもんさ。だって相手のココロの中にズケズケ土足で入り込むのが恋愛なんだから」
プレイボーイの紫苑さんが言うとミョ~に説得力がある。