恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
ほかのクラスになら負けたっていいけど、おにーちゃんのクラスにだけは死んだって負けたくない。

「桃、お願いっ」

碧が珍しくボールを返し損ねた。

「任せてっ」

ボールをレシーブしようと思いっきり腰を落として低い姿勢で構えるあたし。


……と、そのとき……、


ビリッ


……と繊維の裂けるような音が不意にした。


一瞬なにが起こったのか分からなかった。

「桃、お尻、お尻っ」

「ヘ…?」

碧の言葉に気を取られたあたしの横をボールが素通りして、落下しバウンドする。

「お尻って……」

何げにお尻に手をやったあたしは、本来その手に触れるはずの体操服の短パンではなく、その下に履いていたはずの下着をなぜかダイレクトに触っていた。


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