恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
紫苑さんと結婚できないと知って、あれほどショックを受けたすぐあとなんだから……。
「あのときは淋しかったから……赤井氏がやまぶきさんと婚約したって聞いて淋しかったから……だから、誰かにやさしくしてもらいたかったんだと思う……」
ホントはよく分からないけど。
“ふぅ……”と大きなため息をつくおにーちゃん。
「……ってことは、もとはといえばオレのせいか……もしオレが婚約なんかしなかったら、ピンクも紫苑のもとへ走ったりなんかしなかった、ってことになるな……」
「別にあたし、おにーちゃんのこと、責めてるわけじゃないよ……悪いのはあたし……ほんのいっときもひとりでいることができなかったあたしなんだから……」
相墨くんのときもそうだ。おにーちゃんにカノジョがいるって分かった瞬間、ほかの誰かを求めてたし。
「紫苑さんのことはもう……ってか、今になって考えると、最初から恋愛感情はなかったような気がするよ……だって紫苑さんと一緒にいるときも、気がつくとおにーちゃんのことばっか考えてたし……」
「………」
相合い傘の中、黙ってまっすぐ前を向いたまま歩き続けるおにーちゃん。
「あのときは淋しかったから……赤井氏がやまぶきさんと婚約したって聞いて淋しかったから……だから、誰かにやさしくしてもらいたかったんだと思う……」
ホントはよく分からないけど。
“ふぅ……”と大きなため息をつくおにーちゃん。
「……ってことは、もとはといえばオレのせいか……もしオレが婚約なんかしなかったら、ピンクも紫苑のもとへ走ったりなんかしなかった、ってことになるな……」
「別にあたし、おにーちゃんのこと、責めてるわけじゃないよ……悪いのはあたし……ほんのいっときもひとりでいることができなかったあたしなんだから……」
相墨くんのときもそうだ。おにーちゃんにカノジョがいるって分かった瞬間、ほかの誰かを求めてたし。
「紫苑さんのことはもう……ってか、今になって考えると、最初から恋愛感情はなかったような気がするよ……だって紫苑さんと一緒にいるときも、気がつくとおにーちゃんのことばっか考えてたし……」
「………」
相合い傘の中、黙ってまっすぐ前を向いたまま歩き続けるおにーちゃん。