恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

実際あたしだって“沢尻桃香”と“沢尻Eカ”で名前は似てるのに、そのルックスが彼女とは似ても似つかないのを自分自身でもイヤっていうほど分かってるし。


けどね!


年頃の女のコがみんなの前で「桃尻っ」と言われてうれしいはずなんてない。

ましてや、よりにもよって天敵・光ものブラザーズに下着を見られたうえに……、

「お~っと、“桃尻”の尻が破れたぞぉ~♪」

「“桃尻”のパンティは桃色パンティ~♪」

……って、オブラートに包むこともなく直球ド真ん中で攻めてくる言葉の攻撃に、あたしはその場で舌をかんで死のうとさえ思った。

マジでっ!!



「オイ、お前ら、なに笑ってんだよっ!」



そこに駆けつけてきたのは、おにーちゃん……ではなかった。

そもそも、おにーちゃんはグラウンドでやってる男子のサッカーのほうの応援に行ってたみたいだし、体育館になんているわけなかった。

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