恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
おにーちゃんの代わりに駆けつけてくれたのは、わが2年3組の学級委員長・相墨(あいずみ)くんだった。
「笑ってる場合じゃねぇだろっ!? オレらの敵は1組だろーがっ!? 同じクラスの仲間が困ってんのに、なんで誰も助けてやんねぇんだよっ!?」
そう言うと、さっさとジャージの長ズボンを脱いで自分は短パン姿になって、スッとあたしに差し出してくれる彼。
「昨日、洗濯したばかりでまだそんなに汚くねぇと思うし、よかったらオレのを履けよ」
「あ、ありがとう……」
涙目のあたしが受け取ったジャージには相墨くんの体温がモロ残っていて、そのぬくもりがあたしには彼のやさしさそのものみたいに感じられた。
あとにして思えば、委員長として自分のクラスを勝利に導くようクラスをまとめるために、あたしに助け舟を出してくれただけだったのかもしれない。
だけど、そのとき、あたしはあっけないくらいに恋に落ちた。
絶体絶命のピンチのあたしの前に颯爽と現れて助けてくれた、まるで正義のヒーローみたいな相墨くんに恋をしてしまったんだ。
「笑ってる場合じゃねぇだろっ!? オレらの敵は1組だろーがっ!? 同じクラスの仲間が困ってんのに、なんで誰も助けてやんねぇんだよっ!?」
そう言うと、さっさとジャージの長ズボンを脱いで自分は短パン姿になって、スッとあたしに差し出してくれる彼。
「昨日、洗濯したばかりでまだそんなに汚くねぇと思うし、よかったらオレのを履けよ」
「あ、ありがとう……」
涙目のあたしが受け取ったジャージには相墨くんの体温がモロ残っていて、そのぬくもりがあたしには彼のやさしさそのものみたいに感じられた。
あとにして思えば、委員長として自分のクラスを勝利に導くようクラスをまとめるために、あたしに助け舟を出してくれただけだったのかもしれない。
だけど、そのとき、あたしはあっけないくらいに恋に落ちた。
絶体絶命のピンチのあたしの前に颯爽と現れて助けてくれた、まるで正義のヒーローみたいな相墨くんに恋をしてしまったんだ。