恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「…っ」
諦めの悪いあたしがすがるような言葉をクチにしようとするけど、放課後の校舎屋上に吹きすさぶつむじ風で乱された髪の毛が、クチに入ってしゃべれなくしてしまう。
もう何も言うな、ってコト?
指先でヨダレまみれの髪の毛をクチから引き抜きながら、そう思った。
今さら何を言ったところでもう終わりなんだ、ってコトは、あたしにも分かってた。
「オレ、自分のキモチにウソつけねぇし、いまココでウソをつけば、そのぶん余計にあとでお前を傷つけることになっちまうからハッキリ言うけど……沢尻とは、これからもいい友達でいてぇんだ……ホント、ごめん……」
「………」
あたしは何も言えなかった。
だけどココロの声で「こんなときまで正直すぎるよ……」とつぶやいた。
「じゃ、オレ、ロボット・コンテストの準備あるし、部活に行くわ。また、あしたな」
諦めの悪いあたしがすがるような言葉をクチにしようとするけど、放課後の校舎屋上に吹きすさぶつむじ風で乱された髪の毛が、クチに入ってしゃべれなくしてしまう。
もう何も言うな、ってコト?
指先でヨダレまみれの髪の毛をクチから引き抜きながら、そう思った。
今さら何を言ったところでもう終わりなんだ、ってコトは、あたしにも分かってた。
「オレ、自分のキモチにウソつけねぇし、いまココでウソをつけば、そのぶん余計にあとでお前を傷つけることになっちまうからハッキリ言うけど……沢尻とは、これからもいい友達でいてぇんだ……ホント、ごめん……」
「………」
あたしは何も言えなかった。
だけどココロの声で「こんなときまで正直すぎるよ……」とつぶやいた。
「じゃ、オレ、ロボット・コンテストの準備あるし、部活に行くわ。また、あしたな」