恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
あたしをひとり校舎の屋上に残して、相墨くんはその場からいなくなってしまった。
「“また”は、もうないよ……」
あたしはひとりつぶやいた。
あの日から、キミのために何かできることはないかって、そのことばかりいつも考えて生きてきたのに……、
キミの喜ぶ顔が見たくって、ぶきっちょで料理なんて出来ないあたしが何時間もかかってバレンタインのチョコ作ったし、何週間も前からどれにしようかってさんざん悩んで誕生日のプレゼントだってあげたのに……、
そして……ただキミといっしょにいたかったから、大学進学を諦めてまで、志望校じゃない工業高校に進学したのに……。
ねぇ、ひどいよ。
今日までさんざんキミにやさしくしてきたのに、まさか最後の最後でこんなひどいお返しされるなんて……。
こんな悲しい想いをするために、あたし、キミを好きになったのかな?
今日までの毎日って、なんだったワケ?