恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
理系タイプの相墨くんは小さい頃から機械が好きで、将来は立派なエンジニアになるのが夢なんだそうだけど、あたしが好きなのはあくまで相墨くんであって、機械なんかじゃないし、キミといっしょにいられないなら、あたしの将来はお先真っ暗ってヤツだ。

あたし、ぶきっちょで手先は器用じゃないし、それにもともとは文系タイプだったから、工業高校のテストはいつも追試ばっかだし。


ハッキリいって、なんか、もう学校には行きたくない気分。


フラれた相手と毎日顔を合わせるなんて耐えられない。

それに今までは好きな相墨くんといっしょだからってことでなんとか耐えられてたけど、工業高校は9割以上が男子で、実質的にほぼ男子校化している工業高校の有象無象(うぞうむぞう)のバカ男子どもにまみれて学校生活をおくるというのも、こうなってしまって苦痛以外のなにものでもない。


あ~ァ、こんなことなら、碧といっしょに普通科の進学校に行けばよかった。

でも、碧には相墨くんにフラれたなんて死んでも言えない。

学校が違うのをいいことに、いま彼とはラブラブだって、ウソついてたし。


どうしよう、どうしよう、どうしよう……

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