恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
わずか人生16年にして、残りの自分の未来全部が黒一色に塗り込められたような、底知れない不安と恐怖に胸が押しつぶされそうな思いで、枕を涙で濡らしながら眠れない夜を迎えるしかなかった。



時刻は午前2時31分――

星の数ほど寝返り打っても、眠れない夜はまだ続いてた。


日暮れ頃からポツポツと降り出した雨は、日付が変わる頃には本降りとなり、この時間、屋根の瓦を激しく叩いて降りついでいて、遠くでゴロゴロと雷の音まで聞こえていた。

こんな雨の夜に、眠れないままひとりベッドで目を閉じていると、なんだか時間の流れの中から自分ひとりだけが、どこかまったく別の時間の流れの中に放り出されたみたいな孤独感にさいなまれてしまいそうになる。



午前2時54分――

さんざん迷いに迷ったあげく、それでもさすがにこんな時間に電話しちゃいけないと自制心を働かせ、結局、一通のメールを送信した。



『もうダメ……』



どうしても朝まで待てなかった。
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