恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

たとえ今すぐメールの返信がこなくても、今この瞬間、誰かにあたしのキモチを伝えたかった。



ピロピロリ~ン♪



真夜中の暗い自室にケータイメールの着信音が響いた。

あたしがメール送ったせいで起こしちゃった?

でも、起きて返信したにしては返事が来るのは早すぎる。

ひょっとして、こんな時間に起きてたってコト?



『もうダメだって言えるうちは大丈夫。本当にダメになったときは、ダメなんて言ってる余裕さえないって、どっかの偉いヒトが入ってたし』



メールは、あたしを恋の迷子にさせた張本人――つまり、おにーちゃんからだった。

まさかこんな時間にメールして、すぐに返事がくるとは思ってなかったからうれしくて、あたしはつい甘えて電話してしまった。


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