恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
向こうも気をつかってか、詳しく訊いてこようとはしなかった。
やがて……、
「なんか、あたし眠くなってきたから、もうこれで終わりにするね。こんな時間におしゃべりに付き合ってくれてありがとう」
「なぁに、お安い御用だ。それに、今さらこんなこと言うのもなんか照れ臭ぇけど……」
「エ?」
「オレとお前は兄妹みてぇなもんだろ? オレでよかったら遠慮しねぇで、これからもなんでも言ってくれよな」
「うん、ありがとう。じゃ、おやすみなさい」
「あぁ。おやすみ」
さっきまで“もうダメだ”と思っていたはずなのに、おにーちゃんと話してるうちに、激しく波打っていたココロが、いつのまにか穏やかになっていた。
だからあたしは自然な眠気に誘われるように目を閉じて、それからものの5分と経たないうちに安らかな眠りに落ちていた――――