恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
Act.4 「おにーちゃんの部屋」
翌朝、まだ深い眠りの中にあったあたしのカラダをユサユサと揺らしたのは母だった。
「桃香、起きて。起きなさい。いつまで寝てるの?」
掛け布団を怪力で引きはがそうとする母。
「もぅ、かーさん、今日は土曜日でしょ? もう少し寝かせてよぅ。昨夜なかなか眠れなかったから、まだ寝足りないよぅ」
掛け布団を必死で奪われまいとするあたし。
だけどその目は開いてない。ワザと開けないんじゃなくて、眠くて眠くて開かないんだ。
「悪いけど、店を手伝っとくれよ」
「え~、なんであたしがァ?」
理由を訊いてみると、パートのスミレさんちの子供が急に歯が痛くなったから、歯医者に連れていく午前中だけ休ませてほしいということで、その時間だけ代わりにあたしに店に出てほしいということだった。
昨夜さんざん泣いたせいで、腫れぼったいうえに真っ赤な目で人前に出るのはイヤだと、さんざんゴネたあたしだったけど、最終的に拒否権はなかった。
× × ×
「桃香、起きて。起きなさい。いつまで寝てるの?」
掛け布団を怪力で引きはがそうとする母。
「もぅ、かーさん、今日は土曜日でしょ? もう少し寝かせてよぅ。昨夜なかなか眠れなかったから、まだ寝足りないよぅ」
掛け布団を必死で奪われまいとするあたし。
だけどその目は開いてない。ワザと開けないんじゃなくて、眠くて眠くて開かないんだ。
「悪いけど、店を手伝っとくれよ」
「え~、なんであたしがァ?」
理由を訊いてみると、パートのスミレさんちの子供が急に歯が痛くなったから、歯医者に連れていく午前中だけ休ませてほしいということで、その時間だけ代わりにあたしに店に出てほしいということだった。
昨夜さんざん泣いたせいで、腫れぼったいうえに真っ赤な目で人前に出るのはイヤだと、さんざんゴネたあたしだったけど、最終的に拒否権はなかった。
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