恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~



「…っ!?」



ハッとして目を覚ますあたし。

ヤダ。あたし、いつのまにか眠ってたんだ。


……ってか!


「わっ…!!」


なぜか、おにーちゃんの顔が、あたしの目の前にある。


「じょ、女子高生の寝込みを襲おうとするなんて、おにー……赤井氏サイテーだよっ」

あたしは掛け布団をグイと引っ張って胸元を隠した。

「てやんでぃ。こちとら仕事から帰ってきてみりゃあ、ピンクがおいらのベッドでグーグー寝てやがる。そのうち寝言で何度も何度も“おにーちゃん、おにーちゃん”って呼びやがるから、なにかと思って近づいてみりゃあ、ヒトのことサイテー呼ばわりかよ。ったく、やってらんねぇってんだ」

「いーかげんなこと言わないでっ。たとえ寝言でだって、あたしが赤井氏のコトなんか、おにーちゃん呼ばわりするわけないじゃん」

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