恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

「赤井氏、お茶、お茶ァ~♪」

「…ったく、なんでオレが……」

ブツクサ言いながらだけど、冷蔵庫からペットボトルの緑茶を出して、2つのコップに注ぐおにーちゃん。

「あたしのお茶には氷入れてよ」

「氷なんか入れなくても、じゅうぶん冷蔵庫で冷えてんだろ?」

「あたしはねっ、コップの表面にびっしり水滴が付くくらいのヒエヒエのヤツが好きなのっ。いーかげん覚えてよねっ」

「へいへい、氷を入れりゃあいんだろ? 入れりゃあ」

ちょっと不満げな顔で……だけど結局、冷凍室から氷を持ってきて、カランカランと涼しげな音を立てて、あたしのコップに入れてくれるおにーちゃん。



「……ったく、お前みたいのをヨメにするのかと思うと、オレのお先は真っ暗だな」



たぶん何げに言ったと思われるおにーちゃんのひとことだけど、ソレは、ぶっちゃけあたしの胸をドキンとさせた。

「……って、赤井氏、あたしと結婚するつもりっ!?」

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