恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
そーだった。
今日から2週間、おにーちゃんは教育実習生として、あたしの中学に来ることになってたんだ。
あたしの通う中学は、同時におにーちゃんにとっても母校であって、体育の先生になるために、とりあえず期間限定で2週間だけ先生になるわけだけど、もしかしたら体育大学を卒業したあと、本当にウチの学校の先生として赴任する可能性だってなくはないと思う。
「……つーか、お前なぁ」
ここまで言って“ふぅ…”と小さなため息をつくおにーちゃん。
「オレのこと“赤井氏”って呼ぶの、そろそろ辞めてくんねぇかな?」
「なんで? 赤井英雄のことを赤井氏と呼ぶのは全然まちがいじゃないはずだよ」
「だーかーらー、赤井氏なんて他人行儀な呼び方するな、ってんだ。昔みたいに“おにーちゃん”って呼びやがれ」
「なんで? 赤井氏は赤井氏じゃん。血もつながってない赤の他人のコト、なんで“おにーちゃん”って呼ばなくちゃいけないワケ? あたし、なにか間違ったこと言ってる?」
「うわっ……その言い方、かわいくねー」
たしかにおにーちゃんの言うとおりだった。
今日から2週間、おにーちゃんは教育実習生として、あたしの中学に来ることになってたんだ。
あたしの通う中学は、同時におにーちゃんにとっても母校であって、体育の先生になるために、とりあえず期間限定で2週間だけ先生になるわけだけど、もしかしたら体育大学を卒業したあと、本当にウチの学校の先生として赴任する可能性だってなくはないと思う。
「……つーか、お前なぁ」
ここまで言って“ふぅ…”と小さなため息をつくおにーちゃん。
「オレのこと“赤井氏”って呼ぶの、そろそろ辞めてくんねぇかな?」
「なんで? 赤井英雄のことを赤井氏と呼ぶのは全然まちがいじゃないはずだよ」
「だーかーらー、赤井氏なんて他人行儀な呼び方するな、ってんだ。昔みたいに“おにーちゃん”って呼びやがれ」
「なんで? 赤井氏は赤井氏じゃん。血もつながってない赤の他人のコト、なんで“おにーちゃん”って呼ばなくちゃいけないワケ? あたし、なにか間違ったこと言ってる?」
「うわっ……その言い方、かわいくねー」
たしかにおにーちゃんの言うとおりだった。