恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
……と、そのとき不意に……、



「よぉ、そこの、かぁ~のじょっ♪」



……って、どこかで聞いたことのある若い男のヒトの声が、あたしの耳に聞こえてきた。


えっ…? コレってナンパ?


声のしたほうを見ると、高校生くらいの男のコふたり組みがニヤニヤしながらあたしのほうを見てた。


…で、次の瞬間……、


「ゲッ…」×3


あたしと男のコふたりの声がハモッた。


「も、桃尻……」×2

「金太に銀次……」


そーなんだ。

あたしのことをナンパしてきたのは、小っちゃい頃からの天敵ともいえる寿司屋の双子・光ものブラザーズだったんだ。

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