恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「チッ、ちょうどいいカモがいると思ったら」

「よりによって桃尻かよ」

「ま、この際だ、ゼータクは言うまい」

「そーだな、桃尻でいっか?」

「桃尻でガマンしようぜ」

なんか勝手に話し合ってるふたり。

そして金太があたしのほうを向いて言う。

「なぁ、桃尻、ガキのヒーローショーなんて見てても、つまんねぇだろ? オレらといっしょにオトナのデートしようぜ?」

続けて銀次がクチを開く。

「実はオレらもつまんなかったんだ。だってよぉ、せっかくの日曜日に男ふたりで遊園地なんてな。どうだ? オレら3人つまんねぇ思いをしてるもの同士、いっしょに遊んで楽しい思いをしてみねぇ?」


ふたりの男のコから同時にナンパされるなんて、ある意味“両手に花”の状態だし、女のコにとっては夢みたいなことだと思う。

だけど相手が光ものブラザーズなら話は別。


「悪いけど、ほかをあたってもらえる?」

ソッコー断るあたし。

「いーじゃん、遊ぼうぜ♪」


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