恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

「通してよっ」

カラダの向きを変えて、その横をすり抜けようとするあたし。

すると今度はソッチに移動して、またあたしを“通せんぼ”する金太。

「あたし、行くとこあるから通してよっ……」

また方向転換をして行こうとするんだけど、ソッチには銀次が。

「行くならオレらも付き合うって♪」

「いっしょに行こうぜ♪」

何度、方向転換をしても、その度に光ものブラザーズが移動して、あたしの前と後ろからサンドイッチ状態で“通せんぼ”してくる。

「お願い、通してっ……ねぇ、通してよっ」

「フッ♪ 通りたきゃ、通りゃいいさ♪」

「ただし、オレたち双子の鉄壁のコンビネーションを通り抜けられるもんならな♪ ハハッ♪」

なんかもう面白がって、ふたりがかりであたしを“通せんぼ”しているみたい。


“助けて!”

あたしはココロの声で叫んだ。

“お願い、正義のヒーロー、早くあたしを助けてよ!”
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