恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
銀次がすごんだのにも、まるでビビッている感じじゃないおにーちゃん。
まぁ、年下相手にビビッてるようじゃ、あたしも幻滅しちゃうところだけど……。
「なにが夢の遊園地だ、コッチは気分サイアクだっての!」
そう言って、持っていたウサちゃんの着ぐるみのアタマをチカラまかせという感じで、地面に叩きつける金太。
「テっ前ェ! もうひとつのオレ様のアタマになにしやがる!!」
おにーちゃんにとって衣装とゆーか、制服(ユニフォーム)とゆーか、商売道具のウサちゃんの着ぐるみのアタマを乱暴に扱われてブチ切れちゃったみたい。
「覆面レスラーにとってマスクが命であるように、オレにとっちゃ、ウサちゃんのアタマが命なんでぃ! それをよくもテ前ェ!」
金太に殴りかかろうとするおにーちゃん。
「おっと、そんなことしていいのかよ?」
殴られる寸前で金太が言った。
「アンタ、ココの遊園地の従業員(ヒト)だろ? 客に暴力ふるってもいいのかよ?」
憎たらしさ120%の金太、そして銀次の笑顔。
「…っ!!」