恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
おにーちゃんの態度の急変に、光ものブラザーズも、どう対処したらいいか迷ってるような、拍子ぬけしたような感じになってる。
「すまねぇ。自分の大事なものを乱暴に扱われちまって、ついカァーッとなっちまった。お詫びにココの遊園地の“タダ券”やるから、それで許してくれねぇか」
双子のふたりは顔を見合わせると、互いに納得し合ったように、ゆっくりおにーちゃんの方に歩きはじめる。
「あと4歩……3歩……」
おにーちゃんが小声でつぶやく。
「2歩……ピンクっ! 耳をふさげっ!」
あたしが言われるまま両手で両耳をふさいだ次の瞬間……、
パンッ! パンッ! パンッ!
……と、おにーちゃんが手にしていた色とりどりの風船が次々と割れた。
「…っ!?」
一瞬、なにが起こったのか分からなかったけど、よく考えると、さっき渡したピンバッジの針で割ったんだと分かった。