恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
あたしは風船が割れる寸前に耳をふさいだから全然ヘーキだったけど、目の前でイキナシたくさんの風船を割られた光ものブラザーズは「イッテェー……」などと言いながら両耳を押さえ、そして何より目の前で風船が割れたのにそーとー驚いたらしくて、思いっきりたじろいでいた。
おすもうさんが相手の目の前でイキナシ“パンッ!!”と手を叩いて、一瞬相手の動きを封じる“猫だまし”をやられたのとちょうど同じ感じだと思う。
「今のうちに逃げるぞ、ピンク!」
「うん、おにーちゃん!」
ウサちゃんの着ぐるみのアタマを拾ったあたしは、それを胸に抱いて、ウサちゃんの着ぐるみの中から首だけを出したおにーちゃんに続いて、一目散に走り出した。
この瞬間、あたしは幼稚園児の頃のあたしに戻ってた。
「待てっ……」×2
双子が追いかけながら言うけど……、
「ケッ♪ “待て”と言われて待つヤツぁいねぇ、ってんだ♪」
……と軽い調子で答えるおにーちゃん。
だけど走ってる途中もアタマの中では“なんでレッドに入ってるはずのおにーちゃんが、ウサちゃんの中から出てきたんだろ?”って、悩み続けてるあたしがいた―――――
おすもうさんが相手の目の前でイキナシ“パンッ!!”と手を叩いて、一瞬相手の動きを封じる“猫だまし”をやられたのとちょうど同じ感じだと思う。
「今のうちに逃げるぞ、ピンク!」
「うん、おにーちゃん!」
ウサちゃんの着ぐるみのアタマを拾ったあたしは、それを胸に抱いて、ウサちゃんの着ぐるみの中から首だけを出したおにーちゃんに続いて、一目散に走り出した。
この瞬間、あたしは幼稚園児の頃のあたしに戻ってた。
「待てっ……」×2
双子が追いかけながら言うけど……、
「ケッ♪ “待て”と言われて待つヤツぁいねぇ、ってんだ♪」
……と軽い調子で答えるおにーちゃん。
だけど走ってる途中もアタマの中では“なんでレッドに入ってるはずのおにーちゃんが、ウサちゃんの中から出てきたんだろ?”って、悩み続けてるあたしがいた―――――