恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
Act.6 「ずっと知らなかったこと」
「コッチだ、コッチっ」
ピンクの着ぐるみのウサちゃんから素顔をさらしたおにーちゃんが“関係者以外立ち入り禁止”と表示されたドアを開いて屋内へと駆け込む。
そしてピンクのウサちゃんのアタマを抱えたあたしが、おにーちゃんに続いて駆け込む。
バタンっ
後ろ手にドアを閉めたおにーちゃんが、肩で息をしながら言う、
「ハァ、ハァ……ア、アイツらも……さ、さすがにここまでは追ってこれねぇだろ……? ハァ、ハァ……」
動きにくい着ぐるみ姿で全力疾走したせいか、顔が紅潮していて汗びっしょりだ。
「う、うん……ハァ、ハァ、ハァ……」
あたしも肩で息をしていた。
肩で息をしながら部屋中をグルリと見回す。
壁に大きな鏡が何枚も並んだ畳張りの部屋で、部屋のそこかしこにいろんな動物の着ぐるみやら、大小さまざまな大きさのボールや旗など、その他、おそらくステージ上で使うと思われるカラフルな色使いの小道具が転々と無造作に置かれていた。
どうやらココは遊園地のショーに出演するヒトたちの“楽屋”みたいだった。
ピンクの着ぐるみのウサちゃんから素顔をさらしたおにーちゃんが“関係者以外立ち入り禁止”と表示されたドアを開いて屋内へと駆け込む。
そしてピンクのウサちゃんのアタマを抱えたあたしが、おにーちゃんに続いて駆け込む。
バタンっ
後ろ手にドアを閉めたおにーちゃんが、肩で息をしながら言う、
「ハァ、ハァ……ア、アイツらも……さ、さすがにここまでは追ってこれねぇだろ……? ハァ、ハァ……」
動きにくい着ぐるみ姿で全力疾走したせいか、顔が紅潮していて汗びっしょりだ。
「う、うん……ハァ、ハァ、ハァ……」
あたしも肩で息をしていた。
肩で息をしながら部屋中をグルリと見回す。
壁に大きな鏡が何枚も並んだ畳張りの部屋で、部屋のそこかしこにいろんな動物の着ぐるみやら、大小さまざまな大きさのボールや旗など、その他、おそらくステージ上で使うと思われるカラフルな色使いの小道具が転々と無造作に置かれていた。
どうやらココは遊園地のショーに出演するヒトたちの“楽屋”みたいだった。